月刊わかさ
風邪をひいた。
熱はないと思っていたんだけど、計ってみたら39℃にもなってて、即病院へ向かった。
僕のいきつけの病院は、老人ホームに併設されている。
おじいちゃんおばあちゃんの患者さんが多いので、診察もとても丁寧だ。
先生が毎回お年寄りの話を辛抱強くヒアリングしているだけあり、置いている雑誌も、当然お年より向け。
NHK「趣味の園芸」シリーズとか、年金の運用の本とか、骨粗鬆症の対策本みたいなものも置かれている。本格的におじいちゃんおばあちゃんのための構成となっている。
そんな本コーナーの一角を占拠している雑誌がある。
「月刊わかさ」
こんなに大々的に「しびれ・神経痛」とか「ふるえ」とか書いてある雑誌が世の中に存在することに純粋に驚いた(少なくともコンビニで見かけたことはない)。
自分の知らないところで老人帝国がこんなにも広がっていたのかということに愕然としている。
なんというか、不思議なことだらけだねこの世の中。
月刊で「わかさ」をお届け。
隠居生活を送る老人達は、なぜ「わかさ」を求めるのだろうか。
僕の後から入ってきたおばあちゃんが受付を済ませた後、一目散に書籍コーナーに向かい「わかさ」の最新号を探し出し、読んでいた。
何かいいことを書いてあるんだろうか。
とにかく、僕の中の「老人」の定義に、今、パラダイムシフトが起こっている。